【やせ薬】向精神薬の「サノレックス」違法販売で医師が逮捕。「やせ薬」違法と合法の線引とは?

更新日:

PCバナー広告


10月26日東京都港区六本木の開業医が肥満患者に処方される向精神薬「商品名:サノレックス(マジンドール)」1万8千錠を中国籍の女性2名と日本国籍の男性1名に約440万円で譲渡していた疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されました。

同開業医の医院ではホームページ上で1錠180円の「商品名:サノレックス(マジンドール)」を350円で処方すると宣伝しており、通常は向精神薬のため医師の処方が必要となるが、診療行為をせずに「サノレックス」を販売していました。逮捕された開業医は「金もうけのためだった」などと供述しているという。関東信越厚生局麻薬取締部は、他の客にも「サノレックス」を違法に販売していた疑いがあり余罪を調べています。

厚労省によると、「商品名:サノレックス(マジンドール)」は重度の肥満患者にあたる「高度肥満症」の食事療法や運動療法の補助薬として認可されています。向精神薬をホームページで宣伝することは麻薬及び向精神薬取締法にあたることから関東信越厚生局麻薬取締部が経緯を調べています。

今回の容疑となった「サノレックス」1万8千錠は、中国で「日本のダイエット薬(やせ薬)」として需要があることから中国への転売目的と見られています。

向精神薬「商品名:サノレックス(マジンドール)」はどんな薬?

「サノレックス」は肥満患者の治療薬として開発されており食欲抑制薬として日本でも承認されている薬です。
薬事法では、習慣性医薬品(依存薬)に指定されています。

薬理学的特性は覚醒剤の「アンフェタミン」と類似しており「食欲中枢への直接作用」及び脳内での「アドレナリン」、「ドパミン」、「セロトニン」の神経細胞による再取り込みが抑制され、消費エネルギー促進と食欲を抑制する効果があります。
上記効果により肥満患者の短期的なダイエットサプリメントとして用いられています。

また、「サノレックス」は精神的な依存性とダイエット効果が得られることから肉体的にも依存する可能性があり「サノレックス」を摂取した後に摂取をやめると離脱症状を引き起こす可能性があります。

「サノレックス」は副作用があり軽いもので「不眠」、「めまい」、「頭痛」、「情緒不安」、「口の乾き」、「疲労に鈍感になる」など確認されており、重い副作用として「脈拍異常」、「幻覚」、「混乱」、「異常行動」、「アレルギー反応」などがあり、必ず医師に用法や用量を確認し服用する必要があります。

「やせ薬」は違法薬品なのか?

◆「商品名:サノレックス(マジンドール)」は、食欲中枢に作用し食欲を抑制するため向精神薬となります。向精神薬を医師の診断なしに処方した場合は違法となります。

・「マジンドール」以外のやせ薬で「食欲を抑える」と謳われているダイエットサプリメントは向精神薬となりますので違法です。個人で輸入することも麻薬及び向精神薬取締法で禁じられています。
 ※粗悪なダイエットサプリの場合、サプリメントの製造過程で不純物が混じることがあり重大な健康被害を引き起こすことがあり注意が必要です。
 ※ダイエットサプリメント服用後に体調異常が現れた場合は、早急に医療機関へ受診してください。食欲抑制系の「やせ薬」では死亡に至るケースが報告されています。
 ※「食欲を抑える」と謳われていているダイエットサプリメント中には何も効果が無い薬もあります。この場合は向精神薬では無く偽物のダイエットサプリメントの可能性があります。詐欺でダイエットサプリメントの売り手を訴えることも出来ますが、買い手に向精神薬を違法に入手しようとした容疑がかかるため泣き寝入りするケースがあります。

◆肥満などでお困りの場合は、内科や美容外科などでも「商品名:サノレックス(マジンドール)」の処方が可能なので医師に相談することをお勧めします。

「やせ薬」の中でも脂質の吸収を抑える薬(オルリスタット、セチリスタットなど)は向精神薬では無いため違法薬品ではありません。

◆代表的なダイエットサプリメントは、日本では未承認のオルリスタット系「商品名:Xenical(ゼニカル)」や「商品名:Alli(アライまたはアリ)」などがあります。
日本で2013年に武田薬品工業株式会社が製造販売承認を取得が薬剤の効果が低いとのことで未販売のダイエットサプリメントにセチリスタット系「商品名:オブリーン」があります。
いずれも海外で一般的に服用されているダイエットサプリメントです。

・食事の脂質吸収を抑える「やせ薬」は、すい臓から分泌される脂質を分解する酵素リパーゼを阻害する事で脂質の分解を抑えます。腸では分解されていない脂質を吸収できないため排泄時に便と一緒に脂質も排泄されます。

・副作用
脂溶性ビタミン「ビタミンA、D、E、K、βカロテン」の吸収も阻害されるため、脂溶性ビタミンサプリを服用することを推奨しています。
下痢気味になる以外に脂肪の多い食事をした場合、脂肪が便に多く含まれ便意をコントロールしにくくなります。
※厚生労働省では「肝障害」が報告されているため注意喚起をおこなっています。

〆 ぐだぐだぶろぐ by タリム

-●ニュース

Copyright© ぐだぐだぶろぐ , 2024 AllRights Reserved.