【悲報】また政府が国民に三本の矢を放つ。計六本目【三本の矢】

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9月24日安倍首相が自民党本部で会見し「本日からアベノミクスは第2ステージに入る」と宣言し「もはや、デフレではないという状態まで来た。デフレ脱却はもう目の前だ」との認識をしましました。
また、安倍首相は経済再優先の政策を重視するために「新三本の矢」として「希望を生み出す強い経済」「夢を紡ぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を発表し、具体的な目標として2020年までに「名目GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」を目指すと説明。

希望を生み出す強い経済「名目GDP600兆円」
※経済最優先で「戦後最大の国民生活の豊かさ」に向け、GDP600兆円達成を目指す。

・一般的に先進国は飽和状態でGDPを伸ばすのは難しいといわれています。最近まで政府は安定的に成長する経済は困難と繰り返していたのに急に手のひらを返した形となります。
・2020年までに「名目GDP500兆円から名目GDP600兆円」と、なると「4~5年で名目GDPを20%上げる」必要があります。イメージ的には1980年代のバブル期と同じぐらいの成長と勢いが必要です。

◆どうしたらいいのか?
・円高は輸出で他国との競争で足かせが強すぎるのと米ドルの利上げも予定されているので更に円安へ誘導する。
※輸出は増えるが輸入する原材料などが高騰する。原材料は関税の軽減で乗り切るかな・・・。
・アメリカのように移民を受け入れたり、外国人労働者を増やして国内需要を増やす。
※移民は後で説明する「希望出生率1.8」の達成が困難になる。外国人労働者を増やす場合は影響無し。
・名目GDPの対象となる枠組みを変える。悪い数字を減らして良い数字だけ計算したら簡単に上げることが可能。
・国債を発行して日銀に買わせる。
※自民党得意の公共事業でしょうね・・・。与党時代の民主党には「財源はどうするんだ!」と吠え続けてたのにね・・・。

◆「名目GDP600兆円」は「国債発行して日銀に買わせることで軽い円安誘導」+「原材料の輸入に対して関税の軽減」と「名目GDPの枠組み変更」と「外国人労働者を増やす」を駆使して実現するしかなさそうです。

「名目GDP600兆円」の実現で「希望」は生まれるのか?経済成長の継続が約束されることで「希望」となるので、小手先の数字合わせや継続不可な手段で「名目GDP600兆円」を達成した場合は「希望」は生まれないと思います。

夢を紡ぐ子育て支援「希望出生率1.8」
※待機児童ゼロの実現や幼児教育の無償化の拡大、多子世帯への重点的な支援などによる子育てにやさしい社会を創り上げる。

★2015年10月4日「希望出生率」と「出生率」を間違えて記載していたため記載内容を変更しました。タリム

◆「希望出生率1.8」は、2014年5月の「ストップ少子化・地方元気戦略」で計画されていた内容です。

・2012年の「合計特殊出生率(出生率)」は1.41でこのままでは日本人の人口が減ることが明白となってきていることから、2025年に「合計特殊出生率(出生率)1.8」を達成するために、2020年までに「希望出生率1.8」を目標とする。

※日本人人口を約9500万人で安定させるためには2025年に「合計特殊出生率(出生率)1.8」を実現して2035年に「合計特殊出生率(出生率)2.1」まで増やす必要がある。

・「希望出生率」ってなに?
計算式は・・・「(既婚者割合×夫婦の予定子ども数+未婚者割合×未婚結婚希望割合×理想子ども数)×離別等効果」で求めます。

※5年に一度の調査である国勢調査や出生動向基本調査で18歳から34歳以下または34歳以下を対象としている。

※「夫婦の予定子ども数」は近い将来なので悪く無いと思いますが、34歳以下対象で「未婚だが結婚を希望している人の理想子ども数」については平成23年のデータで平均初婚年齢が男性30.7歳、女性29.0歳の晩婚時代では夢をつかむような数値で2020年に希望出生率が目標を達成しても5年後の2025年の「合計特殊出生率(出生率)」に反映されるとは思えません。男女の晩婚化は進み続けている状況で5年後は「希望出生率」事態がなんの指標にもならない事が証明されるのではないでしょうか。目標らしい目標をつくって税金投入して10年後に結果は出せませんでしたでは困りますよ?

◆2025年に「合計特殊出生率(出生率)1.8」を達成可能な目標とする理由は2つ

・現在日本で最も出生率が高い沖縄県で出生率=1.8~1.9。
※沖縄の2012年3月31日の人口は142万3千人。日本の人口の1%強のサンプルデータにしかならない上に離島で日本全体の経済状況や産業構成とかけ離れている。

・スウェーデンは1999年~210年の11年で出生率1.5→1.98まで上がった実績があることから目標値として設定した。ちなみに1990年のスウェーデンは出生率2.1です。1999年に下がってV字回復した形で日本は1975年に「合計特殊出生率(出生率)2.0」を割り右肩下がりで下がり続け2005年に1.26の最低を記録して2014年まで「出生数(子供の人数)」は減っていますが「出生数(子供の人数)」の全人口に対する割合より調査対象の「15歳から49歳までの女性」の全人口に対する割合の減る量が多いため2014年の「合計特殊出生率(出生率)」は1.42まで回復しています。

◆スウェーデンってどんな国?

・高福祉高負担国家!
スウェーデンは高福祉高負担国家で、GDPに占める租税率は35.5%、さらに社会保障負担を含めると50.6%です。社会主義色の強い政策を取っています。

・税金と税金の再配分
スウェーデン財務省のシミュレーションでは、納めた税・保険料のうち、45%はその年のうちに本人にサービス還元され、また38%は生涯のうちに本人に還元され、残り18%は他者への再配分となる。
低所得者層、高齢者、障害者、失業者等、社会的弱者も一定レベル以上の生活をすることが保障されています。

・経済状況
スウェーデンの人口は1000万人弱で国民の30%以上(日本9.5%)が公務員です。また女性の労働参加比率は76%(日本48%)と非常に高い状況です。日本と比べると人口は1/10以下で規模が違います。

◆夢を紡ぐ子育て支援「希望出生率1.8」「待機児童ゼロの実現や幼児教育の無償化の拡大、多子世帯への重点的な支援などによる子育てにやさしい社会を創り上げる。」
・いろいろ調べてみるとよくわからなくなってきたので最初のスローガンに戻りますが、「希望出生率」という「夢の数字」を目標に掲げ、人口規模が違いサンプルデータにならない上に経済状況、産業構造、社会福祉政策が違う「沖縄県」や「スウェーデン」と同じ状況を「全く別の手段」で実現する?仮に2020年に「夢の数字」が実現しても2025年の目標に繋がる根拠はなくイメージとしては、「夢を紡ぐ」とは程遠く「儚い夢」の方がピッタリですね!2025年税金を無駄に使い「儚い夢」と気がついた時には国の借金が1600兆円ぐらいでしょうか?未来の子どもたちは1600万円の借金を抱えて生まれて来るとかやめてくださいね。
これも財源どうするのでしょうか。

安心につながる社会保障「介護離職ゼロ」
※介護施設の整備や介護人材の育成、在宅介護の負担軽減など仕事と介護が両立できる社会づくりと、意欲ある高齢者が活躍できる「生涯現役社会」構築を目指す。

・年間10万人以上(内女性が80%)が介護の為に離職している現状に対しての政策なんだけど・・・・。これいつまでに何を実現するのかはっきりしないのと、全部財源をどうするのか?に終始してしまいます。
「安心」につなげるためには長期的な財源確保が必要だと思いますが、、、。
まさか、外国人を呼んで働かせて介護技能を学んでもらう「技能実習制度」を考えているのでしょうか?これは、介護資格の難しさと日本語のハードルで外国人に得るものがなく帰らせる形になっ現代の「奴隷制度」となりかねませんよ?

「旧三本の矢」はどこへ飛んだのか?

アベノミクス第一弾の「旧三本の矢」で「企業業績の改善」と「投資の拡大」によって「企業の内部留保拡大」と「富の集中」まで実現しましたが、「賃金の増加」や「消費の拡大」はおきず「一部の企業」と「富裕層」を除く全ての国民に「旧三本の矢」が直撃し瀕死の状態になっているのではないでしょうか。

「新三本の矢」が「安保法案」のタゲそらしの策で繰り出した技で終わらないようお祈り申し上げます。

〆 ぐだぐだぶろぐ by タリム

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