10月17日アップルのiPhone(iPhone 5S、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPad Air、iPad mini 2、Apple TV(第4世代))に搭載している「A7」「A8」プロセッサが、アメリカ州立大学のウィスコンシン大学マディソン校が持つ「CPUの処理効率化(プロセッサの処理速度を大幅に向上する技術)」に関する特許を不正に使用しているとして2014年1月に提訴していました。
※特許は1998年に取得された「Table based data speculation circuit for parallel processing computer(米国特許番号:5781752)」
この訴訟についてウィスコンシン大学の特許管理団体「WARF(Wisconsin Alumni Research Foundation)」は、アップルがウィスコンシン大学の特許を認識した上で特許侵害したと主張していましたが、裁判所は認識していたことについては認めませんでした。
アップル側は同特許は無効であり、特許侵害はないと主張していました。
アメリカウイスコンシン州西地区の米連邦地方裁判所は、アップルがモバイル端末向けプロセッサに関してウィスコンシン大学の特許を侵害したとする判決を下し、アップルに対して「2億3400万ドル(日本円で約280億円)」の支払いを命じました。
アップルは裁判所の判決に対して上訴の姿勢を見せています。
また、「WARF」は、2015年9月に最新の「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」などに搭載の「A9」「A9X」についても同特許を侵害しているとして新たに訴訟を起こしています。
同特許については過去にインテルを相手に特許侵害で提訴しましたが、裁判所で争うことなく2009年に和解しています。和解内容については公開されていません。
アップルは10月27日に第4四半期(7~9月)決算を発表し「iPhone 6」などの販売が好調で売上高は前年同期比22%増の515億100万ドル、純利益は31%増の111億2400万ドルと発表しています。
ティム・クックCEO(最高経営責任者)は決算発表で「2015年度が過去最高の年になったのは、地球上で最高の革新的な製品を創るというわれわれのコミットメントの成果だ。われわれは、iPhone 6s / 6s Plus、Apple Watch、iPad Pro、新しいApple TVを含む最強の製品ラインアップでホリデーシーズンを迎える」と語っています。
先日アメリカのフォーブス誌はIT業界の現金保有額を試算しアップルの現金保有額は「2055億ドル(日本円:24.7兆円)」と発表しています。ちなみにマイクロソフト「1079億ドル(日本円:12.9兆円)」アルファベット(Googleの親会社)「674億ドル(日本円:8.1兆円)」フェイスブック「112億ドル(日本円:1.3兆円)」と試算しています。
飛び抜けてキャッシュリッチなアップルですが、「2億3400万ドル(日本円で約280億円)」の賠償金の支払いに対して上訴の姿勢を見せているのは「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」などに搭載の「A9」「A9X」の賠償金も低く抑える狙いがあると見られています。
〆 ぐだぐだぶろぐ by タリム