僕の産まれる頃、世界は「彼の魔法」に包まれていました。
ですが、僕の目には「彼の魔法」が「見てくれだけの胡散臭い手品」のように思えて「彼の魔法」に熱狂する人々を理解できませんでした。
そんな中、仕事で「Mac G3」を扱うことになり、それまで「PC」しか扱ったことがなかったため機能や操作に手こずっていた。
ただ、すべてにおいて「PC」よりシンプルで慣れるとあまり気を使わなくてよいことがわかりましたが、数時間操作すると「フリーズ」してしまうため作業を進めるたびに保存しないといけない代物でした。
「Mac G3」の外観はシルバーで「AppleComputer」のマークが程よい主張で添えられており「Mac G3」の筐体デザインも洗練されたものだった。
ある日「Mac G3」の筐体を開けて中の部品を見る機会があり普段は見られることのない「Mac G3」の筐体内部の美しさに目を奪われました。
それまで、「PC」の筐体内部はいくつも見てきましたが、どれも決まって部品が筐体内部にぎっしり詰め込まれていて乱雑なものが大半でしたが、「Mac G3」の筐体内部は部品が効率よく配置されており外観だけでなく筐体内部の空間までデザインされたかの如く美しく感じ「見てくれだけの胡散臭い手品」というイメージが覆されました。
唯一の欠点である「フリーズ」ばかりの欠陥は「Mac OSX」で解消されハードとソフト共に素晴らしいコンピューターに成長を遂げていきます。
その後、あなたは「iPod」で音楽、「iPhone」でコンピューターや通信の世界まで魔法で変えてしまいました。
2015年10月5日現在あなたの「魔法」は、コンピューター業界やエンターティメント業界に限らず多方面にわたり影響を与え強い輝きを放ち続けています。
僕達の「魔法」を解かずに去っていった、あなたには何が見えていたのでしょうか。
今でも黒のタートルネックにジーンズ姿で満足気に微笑むあなたが忘れられません。
最後に彼が語った素晴らしいスピーチを紹介させていただきます。
〆 ぐだぐだぶろぐ by タリム