【性感染症】20代前半の女性「梅毒(ばいどく)」感染者が去年から約3倍に急増。全国の患者数は3年で倍増。

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2015年11月性感染症の「梅毒」が年々増加し日本国内の感染者数が2015年10月に2000人を超えました。国内の感染者数が年間で2000人を超えたのは26年ぶりです。2015年11月8日時点で2155例報告されており2014年比で1.5倍に増加。

近年では女性の「梅毒」感染者の増加が躊躇で中でも「20代前半の女性は約3倍に急増」しており厚生労働省は啓発活動や、全国の自治体や医療機関に対する注意の呼びかけなどを行う方針です。
20代前半の女性で感染が急増している原因については不明です。

厚生労働省「性別にみた性感染症(STD) 報告数の年次推移」によると国内の「梅毒」患者数は2012年まで500~800人程度で推移していましたが、
2012年 875(男性:692、女性:183)
2013年 1228(男性:993、女性:235)
2014年 1683(男性:1296、女性:387)
と年々増加しており感染者が増加している自治体では「不特定多数との性的接触を避ける」「症状が現れた場合は早期に医療機関の受診を受ける」ことを呼びかけています。

都道府県別では東京868人、神奈川県127人と関東近辺で全国の患者数の半数を占め、大阪は228人と首都圏に患者が集中しています。
また、同性間の感染者数は横ばいだが、異性間の感染が急増している。

「梅毒(ばいどく)の知識」

梅毒は細菌の「梅毒トレポネーマ」の感染により発症する性感染症です。主に発展途上国で感染者が多く男女比では男性の患者数が多いのが特徴です。

◆感染
・粘膜や皮膚の傷口から細菌が侵入して感染。主な感染は性行為、オーラルセックスですが、母子感染や輸血血液などで感染するケースもあります。

・コンドームを適切に使用する事で感染リスクは下がりますが、HIVなどに比べると感染力が非常に高く目に見えない小さな傷口からも細菌(梅毒トレポネーマ)が侵入し感染します。

・「梅毒トレポネーマ」の宿主は人のみで宿主がいない場合「梅毒トレポネーマ」は数日で死滅します。これは「梅毒トレポネーマ」自体に主要栄養素の合成に必要な代謝経路の遺伝子が欠落しているためです。

・「梅毒」は感染から最初の症状が出るまで1ヶ月~3ヶ月と潜伏期間が長く初期症状が現れて重症化するまで数年間かかることもあるため、その期間に自覚症状の無い患者により感染が広がります。
※2012年から2015年に掛けて患者数が急増しているのは「梅毒」の初期症状が軽く病院の検査を受けずに過ごしていることが考えられ、潜在的な「梅毒」の感染者数は発表されている患者数より多いと思われます。

◆症状
・感染後数週間から3ヶ月程度の潜伏期間のあと感染部位に大豆大のしこり(無痛性の硬結で膿を出す)を1個から複数個生じます。
※皮膚の症状の他に多様な症状(頭痛、難聴、急性肝炎、認知症など)が現れることもあります。

・感染後3ヶ月から3年の間に全身のリンパ節の腫れ、発熱、倦怠感、関節痛などの症状がでる場合があります。
「バラ疹(全身に5~20mmの赤い発疹が多数現れる)」が現れますが痛みやかゆみはありません。「バラ疹」はしばらくすると自然に収まりますが、「バラ疹」が再発することもあります。

・「バラ疹」の症状が収まり数年後(感染から3~10年程度)皮膚、筋肉、骨などにゴムのような腫瘍が発生します。

・感染後10年以降は腫瘍が多くの臓器に発生したり脳、脊髄、神経まで細菌が広がり麻痺性痴呆、脊髄瘻を起こし死亡に至る。

◆治療
・感染初期数週間は検査で陽性を示しません。

・HIVなどのヒト免疫不全ウイルスと併発するケースもあり、感染の疑いのある人とともに梅毒の検査とHIVの検査を受けさせるべきといわれている。

・「梅毒」の感染期間や症状により投与期間は変わるがペニシリン系の抗生物質で治癒します。
初回治療時は抗生物質の影響により高熱が出ることがある他にアレルギー反応など副作用があるため、治療に関して主治医とよく相談する必要があります。


アメリカの初期感染例では男性同士の性行為が感染の半数を占めると言われていますが、日本では観光客が多い東京で感染が拡大していることから「風俗」や「売春」が主な感染経路となっています。
日本では長い間「梅毒」の感染が少なく「梅毒」の知識が乏しいことも近年の感染を拡大させている原因と考えられています。

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